日本には、578年に創業し、現代まで続く世界最古の企業があります。

その名は「金剛組」。日本で最初の仏教寺院を建設したことで知られ、現在も木造建築を専門とし、神社や寺院、城、文化財の建設・修復・補修を手がけています。現代の技術を取り入れつつも、古来の工法を守り続ける姿勢は、千年以上の歴史を誇る伝統企業としてギネス世界記録にも認定されています。

日本には千年以上の歴史を持つ企業が十数社以上存在し、日本の伝統を支え続けてきました。これらの企業は、文化や風習、景観、芸能、そしてものづくりを守り継ぎ、現代へと受け継いできたのです。しかしながら、歴史や伝統を守る企業が、必ずしも現代社会で大きな存在感を持っているわけではありません。

私たちは、テレビ番組や映像コンテンツの制作を通じて、日本の独自性を世界に発信してきました。その過程で気付いたのは、私たち自身が「日本人」でありながら、古代から続く日本独自の精神を、意識的にも無意識的にも見落としていたということです。そこで私たちは「日本を見直し、“まだ知らない日本”を再発見する」ことを目標に掲げました。日本は、他国の文化や風習を取り入れながらも、深い伝統を守り続けてきた“不思議な国”です。その精神を改めて見つめ直し、“日本の繁栄“についての精神を再び灯すことこそ、私たちの使命だと考えています。