Classic Japanese Camera

一眼レフカメラ
ドイツのライカにレンジファインダーでは大きく後れを取りましたが、一眼レフのジャンルではNikon Fの登場以降、日本カメラの精度の高さ、耐久性、デザインが世界の一眼レフを牽引しています。日本国内ではNikon に続き、Canon、Pentax、Minolta、Olympus などのメーカーがしのぎを削ることでさらに進化を続け、世界の一眼レフ市場では独占状況を作り上げました。世界中のプロカメラマンが信頼を寄せる理由は、その耐久性と精度にあります。悪天候や衝撃にも極めて強く、個体差も極端に少ないことから、報道、スポーツ、広告、芸術などどの分野においても一眼レフで日本製以外の入り込む隙はほとんどないと言っても過言ではありません。
その機械精度の高さから、少々古い個体でも修理することで使い続けることが可能で、現在でも半世紀以上前の機種が十分使えるレベルにあります。特にフィルムカメラでは電子部品以外の故障であればほとんどが修理可能で、いまだに世界中のカメラファンを魅了しています。

レンジファインダーカメラ
ドイツのライカに遅れはとったものの、レンジファインダーでも日本製のカメラは大きく進化していきました。透き通るように美しいファインダーが売りであったライカのカメラを目標に日本独自の進化を遂げました。NikonやCanonも当初はレンジファインダーカメラの製造を行っていましたが、あまりにも完成度の高かったライカとの競争を避け、一眼レフに移行していきましたが、1999年にCOSINA から発売されたBESSA やZEISS IKON は純粋なレンジファインダーを装備し、ライカに引けを取らない美しいファインダ
ーを実現するまでに進化しました。機械式シャッターを装備した機種は今でも高値で取引きされ、中古カメラ市場でも貴重な存在となっています。また、一眼レフのように各社違うマウントを使用しているわけではありませんので、ライカのL、Mマウントであれば様々なレンズを使用できるという魅力もあり、現在でも高い人気を誇っています。

その他のカメラ
一眼レフやレンジファインダーだけでなく、それ以外のカメラでも、日本製のカメラは世界のトップとしての存在感を発揮してきました。70 年代には一般家庭用に安価な距離計連動式のカメラが一世を風靡し、どこの家庭でも1 台はカメラがあるという状況を作りました。中でもOLYMPUS PEN は大ヒット商品となり、現在でも中古市場で人気となっています。またYashikaを買収し、カメラ業界に参入した京セラがCONTAXブランドでリリースしたGシリーズやTシリーズは世界中で高い評価を受け、一眼レフとは違うジャンルを築きました。中でもGシリーズは高品位なボディーと美しいファインダー、独自の機構によるオートフォーカス、同時にリリースされたCONTAXブランドの高精細なレンズが評価され、現在でも高い人気を誇っています。その後もズームレンズの搭載や洗練されたデザインで次々に新商品をリリースし、カメラ大国日本の礎を築きました。

レンズ
写真の善し悪しは本来カメラ本体ではなく、レンズで決まります。カメラ本体は単にシャッターのついた暗箱であり、レンズから送られてくる光を受け止めて記憶するだけです。それよりも光の通り道であるレンズこそ、写真の色やシャープさ、味わいなどを決定する部分ですから、写真にとってレンズは最も重要なパーツです。欧米にもライカをはじめ魅力的なレンズは数多くありますが、特に一眼レフにおいてはNikon、Canonがカメラ本体だけでなく、優れたレンズを立て続けにリリースし、本体との連携も相まって世界中のプロカメラマンから賞賛されています。オリンピックをはじめとする国際的なイベントでも、カメラマン席はほぼこの2 社のレンズと本体で埋め尽くされ、デジタル全盛の時代が到来するまでその状況は不変でした。
しかもレンズ本来の描写力だけでなく、その工作精度の高さも他国の物を圧倒し、その完成度は工芸品ともいえるレベルです。
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